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ドバイの法人設立の7つのポイントと注意点【会社の土台をきっちり作る】

ドバイでの法人設立に興味があるんだけれども、

  • 全く知識が無いから不安
  • そもそも自社(自分)に必要なのか分からない
  • なんだかんだ欺されるのは絶対に嫌だし・・・。

といった疑問に答えます。

本記事の内容は、

  • ドバイの設立方法のポイント
  • ドバイ法人の活用法
  • 法人設立時の注意点

この記事を書いている私は、ドバイ6年目で法人設立や海外ビジネス支援を行っています。
特に、自分がドバイにおりたった6年前の経験から、リアルな支援とサポートを心がけています。
ここにある情報があなたの事業にお役に立てば嬉しいです。

ドバイの法人設立の7つのポイント

ポイントとしてこれから7つのポイントについて解説します。
これらのポイントは各点が重要です。そして、それらが相互に関係し合っている点に注意が必要です。

それでは見ていきましょう。

ポイント1:ラインセンス

用語解説

ライセンスとは、日本で言うところの登記簿に当たります。ですので、「ライセンスを発行する。」なんて言い方をします。
このライセンスには、後に出て来ますが登記する形態や場所が記載されています。また、株主や役員名の確認も可能です。
そして、日本で言う定款にあたる、アクティビティという、どのような事業を行うのか?という事が記載されます。

“ライセンス” ドバイで登記する際に必ず出てくる言葉ですので覚えてみて下さい。

種類

ドバイと言う場所(厳密にはUAE:アラブ首長国連邦)には大きく、メインランドとフリーゾーンの2種があります。

メインランドは内国法人の意味で、ドバイであればドバイ経済省からライセンスを貰います。所謂最も大道のライセンスです。

フリーゾーンは経済特区のようなイメージです。フリーゾーンはUAE国内に45箇所もあるとされています。多いですねー。
それぞれのフリーゾーンは独立しており、ライセンスも各フリーゾーン毎に発行されます。

アクティビティはそれぞれの場所やフリーゾーンである程度定められております。
企業事に行いたい事業に応じて、このアクティビティを選択することが必要です。アクティティには数百という種類があり、選択は重要です。

このライセンスの種類に関しては、この記事だけでは書き切れないので、詳しく別記事で説明をしています。
是非こちらも参考に為てみて下さい。
※※ドバイの法人設立、ライセンスの種類とは※※

よくある事例

メインランドで事業をされる方は、ドバイ国内で事業を行う美容室やレストラン、または貿易会社さんが多いです。
一方のフリーゾーンは、ドバイを拠点にしながらも海外でも事業展開を行う貿易会社や不動産管理会社さんなんかが多いです。

事業の形態によりライセンスの取得場所やアクティビティの選択は千差万別ですが、それぞれに合ったものを選ぶ事がその後の事業に大きく影響するので注意が必要です!

関係する

このライセンスの取り方により、その後のVISAの取り方や、法人銀行口座の開設に大きく影響します。ライセンスを取ったんだけれども、その後に銀行口座が開かない!なんてことにもなりえます。

なぜか??

それは、それぞれのフリーゾーン自体の信用力、そしてあなたが行いたい事業の背景や実現可能性を銀行は気にするからです。
とは言え、そこまで怯える必要はありません^^ もちろんですが、本当に沢山の企業がドバイで事業を行っています。

ポイント2:VISA エミレーツID

用語解説

VISAは日本で査証の事です。UAEという国で活動するための滞在許可とそれぞれのビザの種類によって活動できる事が限られてきます。

そしてVISAを取得するとエミレーツIDというカードが全員に配られます。エミレーツID、聞き慣れない言葉ですね。こちらは、日本で言うところのマイナンバーカードと同じで住民は一人一人この番号が与えられ、その番号がIDとしてカードになったものがエミレーツIDです。

このエミレーツIDには、個人のパスポート情報やその他の様々な情報が記録され、ドバイで個人を証明するものを出して下さい。と言われると、必ずこのエミレーツIDを出すことになります。

種類

ビザの種類について、お伝えします。ビザを取得するためには必ずスポンサー(ビザの発行に責任を持つ者)の存在が必要となります。
投資家ビザ、労働ビザ、学生ビザ、家族ビザ等が有名な所です。

よくある事例

例えば、企業勤めの駐在の方がドバイで働くとすると、スポンサーは、お務めの”会社”で、ご自身は労働ビザを取得することになります。
そして、例えば奥さまとお子さんが駐在で付いてこられた場合、スポンサーは”あなた自身”で、奥さまとお子さんは家族ビザを取ることになります。

では、自分が株主となり会社を設立した場合はどうなるでしょうか?会社自身であるあなたには”投資家ビザ”をとります。

それぞれの有効期限は、投資家ビザが3年周期で更新、それ以外のビザは2年更新となります。

関係事項

ビザの取得はまずライセンスと関連します。ライセンスがどのような形で発行され、あなたがどのような立場で関わるのかに連動します。
また、投資家ビザや家族ビザを取得する際には、家の賃貸契約書を求められるのが通常です。この点で、家の契約とも関連性が出て来ます。

ポイント3:銀行口座(個人)

用語解説

その名の通り、個人の名前の銀行口座です。銀行口座はUAEの在住者、つまりビザやエミレーツIDを持っていれば比較的簡単に開ける事が出来ます。個人名義で、口座開設と同時にデビットカードが1枚ついてきます。殆どのカードはVISAかMasterCardなので、世界中どでも使用が可能です。デビットカードに加えて、クレジットカードの作成も可能です。
日本と同様に銀行により様々な特典が付いたクレジットカードが発行されているので、選んでみるのもありかもしれません。

種類

ドバイの大手の銀行は、エミレーツNBD銀行、エミレーツイスラミック銀行、ADCB、ドバイイスラミック銀行、マシュレック銀行など有名銀行が沢山あります。銀行はイスラム金融に則ったシステムと国際金融に則ったシステムを採用している銀行があるのがオモシロい点です。
大きな違いはありませんが、イスラム金融にならう金融機関のカードではお酒が買えない等と言った弊害があるので事前調査が必要です。

よくある事例

法人銀行口座と合わせた銀行を選ぶ場合が多いです。日本でも同じですが、同じ銀行口座からの送金だと手数料が安かったりと、メリットを受けることが出来ます。特段拘りの無い場合は、法人口座と合わせてしまえば良いでしょう。

関係事項

個人口座開設は住居社の証明が求められます。ですので、VISAやエミレーツIDとの関連があります。
かつては非居住者への口座開設を行っている銀行もあったようですが、今ではほとんど聞かなくなりました。

ポイント4:銀行口座(法人)

用語解説

法人向けの銀行口座です。日本でも同様に、ビジネスをする為には法人口座が必ず必要ですね。これからドバイで法人開設を行う事を予定している方には、この銀行口座解説が一番頭を悩ますことになるかも知れません。理由は、各銀行が法人の口座開設に慎重になっている為です。きっちりとライセンスの発行が完了しているか、この事業をドバイで行う背景はなにか、資本金を含めた原資はどのような背景でつくられたお金か、などと様々な質問を聞かれることになります。勿論のこと、きっちりとしたステップを踏むことで、口座はきっちりと開けることが出来るので安心下さい。

日本だと聞き慣れない言葉で、銀行からはサイナー/オーソライズド・シグナトリー( authorised signatories)と命名される人を決める必要が出てきます。これは日本ではあまり馴染みのない、小切手を使う商習慣があるからです。このサイナーは今後事業を為ていく上で、様々な書類へのサインやを銀行とのやり取りの際に聞かれます。あまりドバイにいないんだ、という事であれば委任状の作成にてサイン権を別の人に委任することも出来ます。

種類

銀行は個人口座と同様にエミレーツNBD銀行、エミレーツイスラミック銀行、ADCB、ドバイイスラミック銀行、マシュレック銀行など有名銀行が沢山あります。法人の銀行口座は取引や預け入れ、引出の金額などに応じて各銀行様々なプランやパッケージを用意しています。例えば、海外送金が多ければ優遇為替レートを用意してくれる、送金が多ければ送金手数料の優遇がある、けれども最低の預け入れは多くしてね、と言った具合です。

ビジネスの形態に応じて、どの銀行のどのプランで口座開設を依頼するかの話し合いが重要となります。

よくある事例

ドバイの銀行という意味では、エミレーツNBD銀行をおすすめされる方が多いです。ドバイでは最も大きな銀行の1つで、オンラインシステムも充実していることから好まれる傾向があります。エミレーツNBD銀行は国際金融の則った運営を行っております。エミレーツNBDと実は同じ銀行で、イスラム教の金融方法に則った銀行でエミレーツイスラミック銀行という銀行もあります。こちらも系列の銀行ということで、同じATMの器械を使う事が出来る、それぞれの銀行送金がより簡単などといった利点から選ばれる事が多いです。

銀行口座は1つだけ、といった決まりはないので事業の規模に応じて複数開けることも可能です。

関係事項

法人銀行口座は、ライセンスに大きく関連します。また、事業計画や資金計画、仕入れ業者や潜在顧客リストなどの提出も求められる可能性が高いです。また、オフィスを実際に構えているかどうかを銀行が確認にくる場合もあります。これはペーパーカンパニーを許さない、というスタンスにドバイが立っているからです。

このようにドバイで事業をしようと思うと、法人口座の開設が最も重要であり難しい可能性があります。十分に注意して、事前の下調べをした上で解説に臨みましょう。

ポイント5:住宅

用語解説

日本と大きく違う点として、住宅をオフィスの場所として登記することはドバイではできません。日本だと個人事業主の場合は特に自分の家をオフィスにするケースがあると思いますが、ドバイではそもそもオフィス用の場所と住宅用の場所が明確に分かれておりそれができません。

種類

住宅は主に部屋だけを借りるフラットと呼ばれる形式、または家具付きのお部屋、一定のサービスがついているサービスアパートメント形式などの住宅があります。日本と同様に、家賃の他に電気光熱費、水道代、インターネット接続費用などがかかります。多くの家の場合は1台の駐車場は代は家賃に込みのケースが多いです。サービスアパートメントの場合はこれらの費用も全て含んだ費用で提示されるケースが多いです。

よくある事例

駐在員で来られる日本人の多くは、会社が提携されているもしくは既にお取引のあるサービスアパートメントに住まれるケースが多いです。ドバイには日本人が多く住む有名なホテルアパートメントがいくつか存在し駐在員の方が多く住まれています。

関係事項

住居を借りる場合、エミレーツ ID やビザの提示を基本的には求められます。サービスアパートメントの場合は、パスポートだけで借りられる場合もあります。

ポイント6:オフィス

用語解説

前ポイントでお話ししましたが住居の建物とオフィスの建物は明確に分かれています。オフィスビルを探す時などは仲介会社さんに紹介いただくことをお勧めします。交通の便や建物の新しさ等を全て調べることはなかなか難しいでしょう。ドバイには日系の賃貸仲介会社のスターツという会社さんが拠点を出されています。

種類

オフィスも家と同様にフラットという場所だけを借りる形式と、すでにオフィス家具が設置された場所もあります。またシェアオフィス、コワーキングスペースといった場所もたくさん増えてきています。

よくある事例

大きな企業様ですともちろん大きなきっちりとした場所を借りられるケースが多いです。一方中小企業や、ドバイで起業される多くは、なるべくコストをかけないようにシェアオフィスなどを選ばれるケースが多いです。

関係事項

オフィスはライセンスとひも付きます。ライセンスにはオフィスの住所が必須のため必ずライセンスを取得する際にはオフィスの契約が必要となります。

ここまで、ドバイで法人設立をする際に必要なポイントを押さえてきました。項目数が多いので、深いところまでこの記事ではご説明できていませんが、全体感を理解いただければ良いかと思います。それぞれの詳細が知りたい方は、詳細を説明した記事をご確認ください。

ドバイ法人の活用事例を解説

ドバイには様々な活用事例があります。そのユニークな特性からそれぞれの状況に応じて有益な設立方法を取ることができれば多くのメリットを受けることができます。

例えばドバイのメリットとして挙げられるのは以下のようなことです、

  • 多様な国の人々が住んでいるため、グローバル経験が積める
  • 法人税、所得税、相続税などの税金が0%
  • 法律や規則が厳格であり、とっても安全
  • ビザ取得の要件が比較的低い
  • 多くの国へのアクセスが容易に可能な立地
  • アフリカを含めまだまだ経済発展の余地がある

このような利点を求め世界各国からたくさんの企業がドバイに進出しています。

今では私もこのような利点を多く知ることができ、企業のアドバイスを行っていますが6年前にドバイに来た時はまさに右も左も分からない状況でした。そこで私が、大体のドバイの実情を理解するのにかかった時間は2年。実は今おこなっているサービスのほとんどは、自分があのころあったら良かったのになぁと思うものなのです。

ドバイ法人の活用例をいくつか挙げてみましょう。

活用例①:ドバイ で事業を行う

もちろんまず考えられるのはドバイの国内で事業を行うということです。日本からは特に、レストラン、美容師、医者、などの専門業者が多いです。ドバイには比較的収入の高い人も多く住んでおり、高品質なサービスであれば高価格で販売が可能であるという期待感もあるからでしょう。

活用例②:今後の海外展開拠点に

日本からはアクセスに比較的時間のかかるヨーロッパ圏、今後人口がとても増えるアフリカへのビジネスを考慮して、ドバイに拠点を置く企業も多くあります。 日本企業がアジア進出の際にシンガポールに拠点を置くといったイメージに近いでしょうか。なのでドバイ拠点の多くのビジネスマンは色々な国に出張が多いと言った特徴もよく聞きます。

活用例③:日本事業とのシナジー

日本である程度の事業をしており、今後の海外展開の為にグローバル市場をマーケティングするといった名目でドバイに会社を設立される企業もあります。ドバイには現在180カ国以上の国籍の人が住んでいると言われており、その多様性またコネクション作りにドバイで法人を設立される会社も多いです。

このような話の中で、自分にはまだまだ早い、自社には時期尚早だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしドバイに進出している多くの企業は実は中小企業です。また海外に一歩踏み出すことで見えてくる新しい世界が必ずあるのではないでしょうか。
私のような小さな小さな企業でもドバイ進出ができたので、ここまで読んで頂いている皆様にできないはずはないと心の底から思います。

このように、ドバイにはたくさんのユニークな利点があり、それぞれの企業様の戦略に応じて適切な法人を設立し、活用することが可能です。

法人設立時の注意点

ここまで読んで頂いて大体のドバイの法人設立のポイントとまたどのように活用していくかということがなんとなく理解いただけていたら嬉しいです。それでも海外進出で多く聞く詐欺やトラブルは避けたいものですよね。

そこでいくつかドバイの法人設立時に起きるトラブルのケースを事前にお伝えしておきます。

注意例1:王族や特別なネットワーク

こんなお話です

中東ドバイと聞くと多くの日本人にとっては石油マネー、そして王族の存在が最もイメージとして浮かぶのではないでしょうか。ドバイでよくあるトラブルとして、「自分は王族と繋がっている。だから大きいビジネスができる。」 などと言って近づいてくる 人がいます。このような大きなことを入ってくるケースには注意が必要です。

注意すること

散々いいことを伝えてきた上で、 最終的に紹介料を騙し取ろうとしたり、実はそんなコネクションなど全くないのに王族という言葉を使い集客しようとしているケースがあります。

こう対応しよう

冷静に考えればわかることですがドバイという新天地に来たばかりの人は、 なぜかそのような言葉に引っかかることもあるようです。 まずは冷静に、 そして周りや違うところからの情報を入手することを心がけきっちりとした判断を行うことで回避可能です。

注意例2:出来る出来る

こんなお話です

まだまだ分からないことが多い時はいろいろな情報収集から始める方が多いと思います。この際に、投げかける質問全てに、「私が対応できます。私はそれもできます。」と言ってくるスーパーマンが現れるケースがあります。

注意すること

例えば法人設立ひとつとっても、前に説明したように様々なポイントが重なり合っています。このようなことを知らずにライセンスだけを取り、その後法人の銀行口座開設ができないといったケースもあります。また、出来ると言っていたのにいざ本当に依頼すると全く進捗が進まず、最後には音信不通。なんてこともあります。

こう対応しよう

餅は餅屋と言いますが、それぞれの事業にはスペシャリストがいます。何でもできます!という人の意見を鵜呑みにするのではなくその領域のスペシャリストから話を聞くのがベストです。

さてここまでお読み頂きましてありがとうございました。
ドバイでの法人設立の疑問にお答えできていれば幸いです。今後具体的に活動を進めていこうと考えているけれども、個別具体的な場合の話が聞きたい、 分かりにくいポイントがあった、事業の可能性を聞いてみたい、などといったご要望があれば是非以下の記事も参考にしてみて下さい。

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